今回は弐瓶勉先生の新作「タワーダンジョン」1巻を紹介します。
SF作品が多い弐瓶勉先生の新作が、まさかファンタジーとは!
ここで第一話が読めます。
https://comic-days.com/episode/14079602755364316216
「タワーダンジョン」1巻ストーリー
第一話 餌撒き名人ユーヴァ
冒頭、塔の上で王様に擬態した者が、お姫様を襲い、そのお姫様を利用して古の塔を呼び出している
ところから始まります。
主人公 豆まき名人ユーヴァ
主人公のユーヴァが祖母に鳥たちにエサやりを頼まれ、エサをあげていたら、家の近くの塔から妹に呼ばれ、妹の方に行きます。
妹が指を指している方向に、古の塔、竜の塔が見えます。
場面は変わり、村の中、村人たちが噂話などをしています。
王女が竜の塔に連れ去られたことや、王女を助けに行った軍隊がやられたこと、
塔の近くの村では人がいなくなったこと、夏なのに寒くて収穫ができないかもしれないなど、
話していて、ある村人が伝え話は言います。
「竜塔降臨 災厄訪れん」
召集
王女を救出するため、国から村に1人は出すようにお達しがあり、
もし誰も出さない場合は大量の農作物を納めるようにと言われ、
村人たちは困っています。
村人のひとりがユーヴァはどうだ?と言いますが、他の村人が
ユーヴァが召集されたら、ユーヴァの家に働き手がいなくなって困ってしまうからだめだと言います。
ちょうど村人たちが話しているところに、大量の薪を持ってきたユーヴァが来て、
ユーヴァがすんなりと王女を召集を受けます。
旅立ち
旅立ち前夜。
ユーヴァは家族と晩御飯の支度をしながら話します。
ユーヴァの祖母は、村人たちが嫌な事をユーヴァに押し付けて怒っていますが、
ユーヴァは自分から行きたいと言い、妹にどうして行きたいのかと聞かれ、
ユーヴァは王国の存亡の危機で、なにか手伝いたいと言います。
ユーヴァたちの会話を聞いていた祖父が、昔の戦で使っていた兜と盾をユーヴァにあげます。
翌朝、ユーヴァは祖父からもらった兜と盾を身に着け、家族に見送られながら旅立ちます。
召集兵
ユーヴァは召集場所に向かいます。
道中、ユーヴァは村人に畑が病気で全部だめになってしまったので、竜の塔に行って原因を突き止めて欲しいと頼まれます。
召集場所で待っていたら、召集兵を乗せた馬車が到着したので乗ります。
馬車の中には他の村で召集された、魔物狩りの男性、ローブを来た謎の人物、強そうな剣士が
乗っていて、その剣士がユーヴァの装備を見て、
なんだ、その装備は?と言ったら、ユーヴァが鍋と鍋の蓋ですと言い、
剣士はあきれて笑ってから、すぐ真顔になり、戦場で足を引っ張るようなことをしたら殺すからなと言います。
古い砦
ユーヴァたちは近衛戦団がいる古い砦に到着し、入り口にいた兵士についてこいと言われ、
中に入ります。
砦の中は負傷した兵や死んだ兵がいて、先に進むと先ほどの兵士が瓦礫だらけの通路を空にするように、ユーヴァたちに命令します。
出撃
ユーヴァたちが瓦礫を外にだしている通路は、近衛戦団に大勢の死傷者を出した化け物、大スライムがいる大広間への隠し通路で、近衛戦団の副団長のルデアムが大広間にいる仲間たちを救出するため、
団長のミンサーベルに出撃許可を求めますが、団長はこれ以上損害を出すことができないので、
援軍が到着するまで待つように副団長に言いますが、副団長は勝算があると言い、
団長は仕方なく出撃の許可を出します。
副団長ルデアムは出撃の準備をします。
仲間のカリックスとエリクォに大スライム攻撃用の塩が入った重たいタルを2つ運ぶように指示を出して運んでいたら、目の前でユーヴァが大きな岩を担いで、通路の瓦礫を空にしている作業を見た副団長ルデアムたちは、ユーヴァに重たいタル2つを竜の塔に運ぶように命令します。
竜の塔
ユーヴァたちは雲を突き抜けるほど大きな竜の塔の隠し通路から塔の内部に入ります。
塔の内部を進んで行くと、部屋の隅で人のようなものが大勢いて、ユーヴァが見ているとエリクォがそいつらに見つかると面倒だから気をつけろと言い、先に進みます。
第10階層でユーヴァが上半身の亡者兵のうめき声に気を取られていたら、水路に落ちて、落ちた衝撃でタルを1つ失ってしまい、水路にいた亡者兵たちに気づかれ、ユーヴァたちは亡者兵に囲まれ戦い、全員倒し、さらに進みます。
進んで行くと、真水が出ている水飲み場みたいなものがあったり、塔の内部に明かりが点いていたり、相当古い時代の鎧を着た死体や、ドラゴンスポアという万能薬の原料のキノコなど不思議なモノや事があり、敵を倒しながら進んで、ようやく50階への階段前の扉に到着します。
中ボス 門衛
50階の階段前に全身甲冑を身に着け、フレイルを持った巨人の門衛がいて、ルデアムたちは先に進むために戦います。
ルデアムたちの連携技で門衛を倒せましたが、仲間のカリックスが潜んでいた弩兵が放った矢が当たり負傷し、エリクォが弩兵を倒します。
負傷したカリックスは先ほど手に入れたドラゴンスポアというキノコを使い傷を治しますが、すぐに動くことは出来そうではないので、カリックスを置いて50階への階段を上がります。
ボス戦 大スライム
副団長ルデアムが50階の大広間にいる粘液の化け物、大スライム戦の作戦を説明します。
ルデアムたちが囮になって大スライムを梁の下まで誘い込み、梁の下まで来たらユーヴァが大スライムに塩をかけると説明します。
第50階層の大広間、大スライムが粘液でルデアムの仲間を柱に貼り付けようとしていたら、ルデアムたちに気づき攻撃してきます。
ルデアムたちが囮になり、大スライムを梁の下まで誘い込みますが、梁の近くで大スライムの粘液攻撃を受けて動けなくなってしまい、ユーヴァは塩を当てるには距離があり困りますが、確実に当てるために梁から大スライム目掛けて飛んで当てに行きます。
塩を当てられた大スライムは、粘液が液体になり弱り、ルデアムがユーヴァにとどめをさせ!と言い、ユーヴァは落ちた衝撃で片腕を負傷し、もう片方の腕で剣を取り、とどめをさそうとします。
ラスボス登場
ユーヴァがとどめをさそうとしたら、突然空間が出現し、姫と冒頭に姫をさらった者が現れます。その者は大スライムを殺さないでほしいとユーヴァに言いますが、姫は私を塔の最上階まで連れて行くまで殺さないから、ユーヴァにとどめをさせと言います。
姫をさらった者は、大スライムごときで全滅する連中が俺から姫を取り返すのは無理だと言い、ユーヴァに大スライムを殺すのをやめたら、俺の下僕にして、この塔の居住権をあげようと提案しますが、ユーヴァは誘いにのらず、大スライムにとどめをさします。
とどめをさした後、大スライムからピンポン玉くらいの大きさの玉が出現し、姫をさらった者はその玉を100階まで持って来たら、姫と交換だとユーヴァに言って消えます。
帰還
大スライムを倒したユーヴァたちは、エリクォの友人の魔法使いのリリセンや他の仲間たちの救出に成功し、竜の塔から出て副団長ルデアムが団長に報告します。
ユーヴァは塔の上層の方を見つめて第一話は終わります。
第二話 半身の竜と火の魔法使い
王女を救出するため、副団長ルデアムとユーヴァを加えた計6人で、再び竜の塔へ向かいます。
敵を倒しながら進み、1階層丸ごと1つの大部屋の80階層に到着します。
半身の竜 登場
ユーヴァたちは大部屋の真ん中にある階段へ向かっていたら、階段前に巨大な半身の竜が現れて、ユーヴァたちに炎を吐き、先に進むことができず退避します。
特訓
撤退した副団長ルデアムは団長のミンサーベルに報告してから、ユーヴァを特訓します。
ひいきにされているユーヴァに嫉妬した魔法使いのリリセンは特訓の邪魔をします。
特訓中に王国の使いの者がユーヴァたちの所へ来ます。
撤退
使いの者は近衛戦団の団長ミンサーベルに即時撤退の命じます。
理由は二つあり、一つは王国が最強の「ドラクメタモル(竜化人)」である王の喪失と王女の誘拐という事態で、王国中が恐怖と混乱で秩序が不安定になっているのと、もう一つは他にもドラクメタモルの血を継ぐ者が存在し、その者たちが王位継承権を主張して王位を巡る内紛が発生するかもしれないので、ドラクメタモルの血が流れていて、王妹殿下であるミンサーベルに王女不在の間、玉座を守ってほしいと使いの者が伝えます。
新たな王女救出策
王国議会は王女を救出し、この混乱を終わらせた者には、王女との婚姻と王位を授けることを告ぎます。
近衛戦団第七分隊
撤退命令を下されたユーヴァたちは、王女救出が中止になり悔しがります。
弓使いのエリクォはユーヴァに召集が解かれ自由だと言いますが、ユーヴァはどうしていいのかわからないし、一人で残っても何も出来ないと言って悔しがります。
撤退前夜、副団長ルデアムが団長ミンサーベルにある事を提案します。
翌朝、団長ミンサーベルと副団長ルデアムはユーヴァと弓使いのエリクォと魔法使いのリリセンを呼び出し、ユーヴァは正式に近衛戦団の兵士になり、ユーヴァとエリクォとリリセンで近衛戦団第七分隊が結成され、王女の救出任務の継続を命令されます。
ユーヴァたちは副団長ルデアムたちと別れ、三人で王女救出するため再び塔に上るところで第一巻が終わります。
感想
サクサクと物語が進むので、読みやすかったです。
読んでいて、いくつか気になるところがあったので書いていきます。
なぜ主人公のユーヴァだけが黒髪なのか?
主人公ユーヴァ以外の登場人物に黒髪の人が存在してなく、ユーヴァの妹や祖父母も黒髪ではなかったので、もしかしたら父親か母親が黒髪だったのか、それとも誰とも血のつながりは無く、ユーヴァの祖父がユーヴァに昔戦に使用した兜と盾を渡しますが、その戦でどこかの戦場で戦災孤児だったユーヴァを保護したかもしれません。
ユーヴァの黒髪に怪力の秘密があるかもしれません。
ドラクメタモル 竜化人
第二話で「ドラクメタモル(竜化人)」の説明のシーンがあります。
「ドラクメタモル(竜化人)」の血が流れている者は、ドラゴンへの変身能力や長寿、あと黒目の部分が爬虫類みたいになっている特徴があります。
最強のドラクメタモルは王国の王でしたが、死霊術士に殺され、他にドラクメタモルの血が流れている者たちが、王位を狙っていると説明があり、近衛戦団の団長ミンサーベルもドラクメタモルの血が流れていますが、ドラゴンへの変身能力はないですが、100歳以上若し姿で生きていて、議会がミンサーベルに玉座を守るように指示します。
竜の塔
ドラクメタモル(竜化人)と竜の塔は、何か関係がありそうです。
ドラクメタモルの血が流れている者だけが、高い場所にある竜の塔を下ろすことができることや、
第80階層にいた上半身のドラゴンも元々はドラクメタモルの人で、死霊術士に蘇らせられたかもしれません。
ローブを着た人物
ユーヴァたちが召集された時、魔物狩りと剣士と、もうひとりフード付きのローブを着た人物がいて、そのローブを着た人物は一言も話す事はなく、物語が進んでいったので、もしかしたら後で活躍するかもしれません。
作者
作者の弐瓶勉先生は漫画家になる前は、ゼネコンで現場監督の仕事をしていて、2年ほど働いて、組織の中で働くよりも、一人で働いている方が向いていると思っていた時に、テレビで鳥山明先生が取り上げられていて、その番組の中で物凄く稼いでいると紹介されていて、漫画家って大金を稼げると知り、漫画家を目指すことになりました。
それまでGペンなどで漫画を描いたことがない弐瓶勉先生は何作か漫画を描き、ジャンプやヤンマガに投稿しますが、全然賞は貰えず、担当も付かず、悩んでいたところ、知り合いの兄が漫画のアシスタントをやっていると知り、その人に漫画を見せ、どこに投稿したらいいですか?と聞いたら、即答で「アフタヌーン!」と言われ、アフタヌーンに投稿したら、すぐにアフタヌーンの編集者から連絡があり、担当になりたいと言われ、ここからアフタヌーンで「BLAMU!」を連載して活躍していきます。
あと弐瓶勉先生はインタビューで影響を受けた作品は「AKIRA」、「風の谷のナウシカ」、「地球の長い午後」と答えていました。
作画
前作「人形の国」では極寒の場所が舞台だったので、絵が白が多めだったので、あまり好きではありませんでしたが、今作「タワーダンジョン」では白と黒の割合とトーンのバランスが良く、メリハリがあっていい感じです。
弐瓶勉先生はアシスタントを使わず一人で描いていて、作画はデジタルでソフトはPhotoshopを使用していて、キーボードはゲーミング用を使用しています。
まとめ
前作の「人形の国」がイマイチだったので、今作「タワーダンジョン」あまり期待しないで読みましたが、予想してたよりも面白かったので読み続けようと思います。
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