「カグラバチ」感想

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今回は外薗健先生、初連載の「カグラバチ」を紹介します。

 第一話はこちらから読めます。

ストーリー

  主人公の六平チヒロは有名な刀匠だった父を3人の妖術師に殺され、工房の地下に隠していた六本の妖刀を奪われてしまい、チヒロは妖術師たちに復讐するため、父が最後に作った七本目の妖刀を手にします。

感想

敵を容赦なく殺す主人公

 最近のジャンプ作品の主人公は敵キャラを殺さない主人公が多かったが、「カグラバチ」の主人公は雑魚キャラでもためらいなくぶっ殺す主人公なので良いですね。殺し方も躊躇なく、敵の喉や手足を斬るので痛快です。

黒いコート+刀=カッコイイ

 主人公チヒロの造形ですが、黒いコート着て、刀を身に着けていて、映画「ブレイド」主人公みたいでカッコイイです。

 刀も大小の二本差しで、妖刀だけで戦っていたら生命エネルギーを消耗してしまうので、雑魚には脇差しで戦い、相手によって使い分けているのが良いです。

映画的な演出

 演出も良く、あるシーンでは蕎麦屋で主人公のチヒロと依頼人の女の子が、食べながら会話していると、モブキャラみたいな客が来店して、店主にチヒロたちの後ろの席まで案内されて、チヒロと女の子は、その客を特に警戒すること無く、会話を続けていたら、急にその客と店主が揉め始めて、客が卓上にあった箸を使い店主を殺し、チヒロがその客に話しかけたとたん、客がチヒロたちに攻撃し、その客が依頼人の女の子を連れ去りに来た追手だとわかります。

ヤバい敵

 敵に武器商人でチヒロが探している妖刀を所有している双城という人物がいて、その双城がチヒロの依頼人の女の子を連れ戻すため、殺し屋たちを雇って連れ戻そうとしますが、殺し屋たちはチヒロに返り討ちにされ、チヒロに殺された者や、双城と妖刀の情報を得るため生け捕りにされた者がいて、生け捕りされた者は知っている情報をチヒロたちに教えてから解放され、殺し屋を辞めて更生して、長年会っていなかった家族の所へ行こうとしたら、双城が仕事を全うしなかったと言って、更生した殺し屋とその家族を他の殺し屋を雇わず、双城自らの手で殺し、その後、チヒロに殺された殺し屋の弟も、兄が仕事を全うしなかったと言って殺します。殺した後、そのままチヒロがいる場所まで襲撃します。

 雇われた殺し屋たちは、まさか仕事に失敗したら、雇い主自ら殺しに来るとは思わなかったでしょう。

襲撃の時に主人公が殺されなかった理由?   

 チヒロと父親が住んでいた家と工房が襲撃に遭った時、妖術師たちはチヒロの父を殺し、工房の地下に隠していた妖刀を奪い、家と工房を破壊までして、チヒロを殺さず、生かした理由が気になります。

 「NARUTO」のうちは一族抹殺事件みたいな展開になるのでしょうか?

妖刀「淵天」を抜いた時、姿を現すのは元々金魚ではなく、鯉だった!?

 チヒロが妖刀「淵天」を抜いた時に、姿を現すのは金魚ですが、最初は鯉を描こうとしていたとインタビューで答えていて、ギリギリまで鯉にするつもりでしたが、ネームを描いた時にチヒロと父親の日常の象徴しやすいのは鯉よりも金魚の方がしっくりして、あと金魚の方が絵になり、出目金など種類がいてバリエーションが出せると思い、金魚に変更したと答えていました。

外薗健先生について

 作者の外園健先生は大阪府出身で2000年9月6日生まれで、2024年現在24歳です。若いですねー

 外園先生のX(旧Twitter)はこちらです。

漫画家になった経緯

 漫画家になった経緯は、こちらの記事に詳しく書いていますが、美大生の時にコロナ禍に入り、通っていた美大の授業がオンラインになってしまい、家にいる時間が多くなり、なにかやってみるかと思い、岸本斉史先生の「NARUTO」が好きだったので、漫画でも描いてみるかと描いたら、数ページ描くだけでも凄く難しくて大変でしたが、この時「ずっと漫画を描きたい」と思い、大学を辞めて漫画を描くことに専念して、初めて描き上げた漫画を集英社の手塚賞に応募したら、手塚賞準入選し、漫画家デビューします。

 デビュー後、数本の読切を描いてから、初連載の「カグラバチ」を描きます。

読切作品

 ここでは外園健先生の読切、4作品紹介します。

手塚賞準入選受賞作「炎天」

 1作品目は手塚賞準入選受賞作「炎天」を紹介します。

 「炎天」はこちらで読めます。

 ストーリーは武術を極めた者に宿り、その宿主に特殊な力を与える霊獣を宿すために、日々修行している主人公のトウマとライバルのエン。
 ある日、先にエンが霊獣を宿すが、霊獣を宿したエンを欲する敵が現れ、トウマはエンを助けるために戦う。

 王道な少年漫画で、キャラクターも上手く描けていて、演出、構成も良く、これから手塚賞や他の漫画賞など投稿する漫画家志望の方は参考になる漫画です。

 あとキャラクターデザインが、ほぼ「NARUTO」に登場したキャラクターに似ていて、主人公のトウマはナルトで、ライバルのエンはサスケです。

 これには理由があって、外園先生が最も影響を受けた漫画が「NARUTO」で、インタビューでも「NARUTO」の影響を受けすぎたと答えています。

2作目「さらば!チェリーボーイ!」

 2作品目はジャンプGIGA2021SPRINGに掲載された47ページの読切「さらば!チェリーボーイ!」です。

 「さらば!チェリーボーイ!」はこちらで読めます。

 あらすじはヤクザに恋人を殺された主人公が復讐する話です。

 ストーリーはシンプルですが、構成が上手く、中盤から主人公がヤクザたちをためらいなく殺していくので、とても良い作品です。

3作目「チェイン」

 3作品目はジャンプGIGA2021SUMMERの掲載された「CHAIN(チェイン)」です。

 「CHAIN」はこちらで読めます。

 あらすじはヤクザを惨殺している忍びを、警察が捕まえようとしたが返り討ちにされ、困った警察は政府に使える忍び、カオルとクロにその忍びを捕まえるように依頼します。

 この作品は特に書くことはありません。

4作目 「まどぎわで編む」

 4作品目は週刊少年ジャンプ2022年19号に掲載された「まどぎわで編む」です。

 「まどぎわで編む」はこちらで読めます。

 あらすじは、学校でいじめられている男子高校生が、ある日、同じクラスで前の席のいじめられている女子高生と仲良くなり、その女子高生と文通やり始め、男子高校生が、その女子高生に放課後に誕生日プレゼントを渡したいと手紙を渡し、プレゼントのミサンガを渡していい感じになっているところにいじめっ子たちが現れ…。

 終盤、予想もしない展開になって面白いです。

 ツッコミ要素はありますが、15ページの短編なので、細かいところは気にせず、一気に読むのをおススメします。

5作目「ロクの盟約」

 5作目は週刊少年ジャンプ2022年36・37号に掲載された「ロクの冥約」です。

 「ロクの冥約」はこちらで読めます。

 あらすじは、殺し屋の主人公ロクと相棒のマッチンは、ある日、ボスに標的を殺さず逃がしていたことがバレて、ボスが怒り、マッチンを殺し、主人公のロクも命を狙われるが、ロクは相棒のマッチンを殺されたことに怒り、ボスたちに復讐する前に、地獄の案内人ルシルと出会い…。

 読んだ感想は主人公のロクと地獄の案内人のルシルの掛け合いが面白く、ルシルのキャラクターも良く、物語の構成も良く出来ていて、終盤、ロクがボスがいるヤクザの事務所に殴り込みに行き、ボスの手下をためらいなく皆殺しにするので、読んでいて面白かったです。

 あと今作から急に絵が上手くなっています。

好きな漫画、映画など

 ここでは外園先生が好きな漫画や映画など紹介します。

好きな漫画

 読切掲載時に作者紹介欄にある、好きな漫画の項目などを調べてみたところ、
一番好きな漫画は「NARUTO」で、他には「呪術廻戦」などのジャンプ作品や「進撃の巨人」、「亜人」などが好きと書かれていました。

好きな映画

 好きな映画はタランティーノ監督作品クリストファー・ノーラン監督作品デヴィッド・フィンチャー監督作品、あとはマーベルシリーズが好きで、「カグラバチ」に影響を与えた映画作品は「ジョン・ウィック」シリーズだとインタビューに答えています。

作画

 作画はアナログと思っていましたが、デジタル作画で、最近の外園先生のコメントで板タブから液タブに変えたと答えていました。使用しているソフトはクリスタです。

//https://x.com/8rQu0DnYjkr1LUC/status/1790337531588047261

 画力も最初の方の作品は、そんなに絵が上手くありませんでしたが、「ロクの冥約」から急激に絵が上手くなり、「カグラバチ」では、さらに上手くなり、これからどれだけ上手くなるのか楽しみです。

まとめ

 最近のジャンプ作品では敵を殺さない主人公が多かったような気がしますが、この「カグラバチ」の主人公チヒロは復讐の邪魔する敵は、ためらいなく斬り殺すので快感です。殺す事に悩む展開とかいらないので、この調子で敵を殺しまくって欲しいです。

おしまい。

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