今回、紹介する漫画は「メイドインアビス」の作者つくしあきひと先生推薦の漫画、月刊コミックフラッパーで連載中の凪水そう先生の「イズミと竜の図鑑」を紹介します。
第一話はこちらで読めます。
あらすじ
獣人の冒険者アルフと呪いで成長を止められ幼いままの編集者のイズミが、出版社剣と友社の編集部にロングセラーの「竜の図鑑」の改訂作業を命じられ、竜の目撃情報など元に、世界各地に調査に行きます。
感想
本格ファンタジー漫画!
編集者のイズミと獣人の冒険者アルフが、「竜の図鑑」の情報収集のために、世界各地へ取材に行く話ですが、世界観の作り込みが凄く読んでいて楽しいです。
「竜」を退治するのではなく、調査する
ファンタジー漫画で登場する「竜」は大体退治される対象として描かれますが、この漫画では、「竜」を退治するのではなく、未知の生物である「竜」を調査し、図鑑に載せるというところが面白いです。
登場する「竜」も面白く、長年複数の部族と戦っている竜が登場しますが、その竜には竜の権利図とう設定が有り、それぞれの部族には領域内のみ攻撃が許される権利を持っていて、例えば目の周辺だけ攻撃が許されている部族や、尻尾周辺だけ攻撃が許されている部族がいて、この攻撃が許されている領域の権利は取引されていて、急所だと思われるところは高値で取引され、そして竜を仕留めた者は竜の資源を総取りできる設定がある「竜」や、あとエルフの国では、「竜」が政治の決め事をします。
この漫画に登場する「竜」の姿は、ファンタジー作品によく登場するドラゴンの形ではなく、エヴァンゲリオンに登場する使徒のようなデザインの「竜」が登場します。
編集者の仕事とは
編集者の仕事の表現が面白かったです。
編集者のイズミが冒険者のアルフに、取材対象の「竜」が長年部族たちの攻撃で傷だらけになっていて、かわいそうだから、部族たちと話し合えば、攻撃をやめてもらえるかもしれないと話ますが、アルフは、もしイズミの意見がその部族たちに影響を与えるようなことがあれば、図鑑の内容が変わるかもしれないが、それでいいのか?と言われ、イズミは考えます。
他にも、イズミが編集長に取材内容を報告するシーンがあり、「モモイダラド(美しい傷の竜)」という竜の特徴的な模様が、実は部族たちの攻撃につけられたもので、傷だらけの姿で図鑑に載せるのは、かわいそうだから、無傷の姿で載せたいとイズミが編集長に言いますが、編集長はイズミに「生まれたまま」の姿は確認できたのか?言い、イズミは確認はできていませんと言ったら、編集長が空想で図説を作ったらフィクションになるよね?と言われ、イズミも考証を重ねた予想図であればと言いますが、編集長によくわかっていないものに、「こうだったらいいな」を足したらダメだろと注意されるシーンや、アルフがイズミに自分と同じ意見の方を探すのは、取材と呼べるのか?と言うシーンなどがあり、編集者の仕事とはどういう事なのか知れて、面白かったです。
元ネタ メイドインアビス!?
凪水そう先生と「メイドインアビス」の話が面白かったです。
作画コストがエグい
作画コストが凄いです。
キャラクターの衣装や小道具、背景や建造物、建築物、そして食べ物の作画がどれも上手いです。
小道具の一つで太陽の鈴という目覚まし時計が登場しますが、たった数コマのために、動く仕組みを考え、それを絵にするのは作画コストがヤバいです。普通だったら、既存の目覚まし時計をファンタジー風のデザインしたりして作画コストを削減しますが、凪水そう先生はそんな事はやらず、毎回数コマしか登場しない、ボウガンやゴンドラなどデザインして作画コストがヤバいです。
凪水そう先生はX(旧Twitter)で毎回新しいデザイン物が出て大変だと書かれていました。
作者 凪水そう先生について
作者の凪水そう先生ですが、「イズミと竜の図鑑」の前は「ツーリンガール!」という漫画を描いていました。
あとポケモンカードの仕事もしています。
作画
凪水そう先生が使用している機材はWacom OneとiPadで、ソフトはクリスタです。
少し古いインタビューですが、デジタルで絵を描こうとした理由や、絵で仕事をしようとした理由が書かれています。
あと作画の動画もあるので、絵を描く人は参考になるかも。
まとめ
今回、紹介した「イズミと竜の図鑑」どうでしたか?
読んで損はない作品だと思います。
物語はまだ始まったばかりですが、最後まで読みたい漫画です。
凪水そう先生はアシスタントは雇わず、一人で描いていて、このクオリティを維持するのは大変だと思いますが、時間を掛けてでも最後まで描いてほしい作品です。
おしまい。
追伸 著者が好きになった漫画は休載や未完になる確率が高いです。
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