【天傍台閣】感想

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 今回、紹介する漫画は読切作から話題になっていた、弓庭史路先生の初連載「天傍台閣(てんぽうだいかく)」です。

 第一話はこちらから読めます。

あらすじ

 八洲国では、秘術を操る術者たちが増え、秘術は体系化されていった。やがて術者の郷国《東仙境》が誕生し、その統治機関が《天傍台閣》である。
 天傍台閣の祠武省は、禍獣と呼ばれる異形の討伐を担っていた。

感想・見どころ

 弓庭史路先生、初連載の「天傍台閣」を読んだ感想ですが、初連載とは思えない完成度です。

 特に会話のシーンの描き方が上手いです。

 漫画で会話シーンを描くと、構図が単調になりがちですが、会話のシーンが多い「天傍台閣」では、会話中、様々な構図で描き、セリフも小説を読んでいるようなセリフ回や掛け合いで、長い会話シーンでもテンポよく読めるので、会話シーンを描くときは参考になります。あと作者の符牒(業界用語や隠語)などの語彙力が凄いです。

 「天傍台閣」みたいな会話のシーンが描きたい!と思う方は、描きたい業界や職業の現職もしくは元現職の方が書いた小説やノンフィクションや、YouTubeの動画などリサーチするのが良いでしょう。
 警察小説の第一人者 今野敏先生の「警察小説の書き方」が参考になるので読むのをオススメします。

作者 弓庭史路先生について

 作者の弓庭史路先生について調べましたが、経歴やSNSなどの情報はありませんでした。

 作品の内容や作風、語彙力を見ると、作者の年齢は40代くらいの方かもしれないです。
もしかしたら、どこかで連載していたか、ベテランのアシスタントの方だったかもしれないです。
ネットのウワサでは、京大で中国文学や哲学を学んでいたか、元官僚の方かもしれないとウワサがあります。

 もし20代で、「天傍台閣」が初連載だったら驚愕です。

 あと絵柄やお話が、青年誌、特に講談社系の漫画にあるように感じます。

読切

双子の皇子の数奇な運命「皇の器」

  「皇の器」は架空の中華王朝モノを題材にした作品です。

 この作品は弓庭史路先生の初読切作品ですが、この時のペンネームは織部匡(おりべ きょう)でした。

 本当に初めて漫画を描いたのかと疑うぐらいの、ストーリー、作画などのレベルが高いです。

 あとこの作品のコメント欄で、中国美術に詳しい骨董を扱う仕事をしている方が、作中で描かれる彫刻や飾り棚、巻き物の紐の止め方、服装が正しく描かれていてビックリしてました。

 「皇の器」はこちらで読めます。

「天傍台閣」のスピンオフ作品「國我政宗の呪難」

 「國我政宗の呪難」は「天傍台閣」のスピンオフ作品です。

 ストーリーは誘拐された総理大臣の娘を救出するというシンプルな話ですが、会話のシーンが30ページ以上もあり、普通だったら動きのない会話ばかりのシーンが続くとつまらないですが、会話のシーンの見せ方が上手く、セリフもテンポが良く、サクサク読ませる技術が凄いです。

あと本当に新人が描いた漫画なのかというくらいレベルが高いです。

 「國我政宗の呪難」はこちらで読めます。

 おしまい。

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